Promise <3>

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ケンカ別れをした時とは違う空虚感を味わっていた。あれから勇気を出して電話をしてみた。しかし受話器からは「現在使われておりません」という素っ気ない案内がされた。マンションにも行ってみた。ルミの部屋はどうやら別の人が住んでいるようだ。連絡が取れないまま月日が流れ、俺には新しい恋人が出来た。

―――ルミとの再会から一年後

「ケント?ケントじゃない?久し振り!」
取引先でルミの友人と偶然に出会った。
「おぅ!久し振り!元気か?」
「元気、元気!」
「あのさ…みっちゃん、ルミは、どう、してる?」
今は新しい彼女がいる。あれから一年が過ぎた。だけど、どうしても気になっていた。突然連絡が取れなくなるなんて。
「ルミ?…彼女、死んだわよ、去年の秋。病気だったって聞いた。ケント、知らなかったんだ」
「おい、佐藤。行くぞ!」
「あぁゴメン、会社に戻らないと。そういえばルミ、自分のホームページ持ってたよ。私、開設した当初しか見てなかったけどね。アドレス教えようか?」
「……あぁ、頼む」
「確か、うーん、あったあった!これ、どうぞ!」
「サンキュ」
「じゃあね!」
死んだ?ルミは死んだ。どういうことなんだろうと、頭の中で様々なことが巡る。帰社してから残業もせずに真っ直ぐ家路についた。

R's studioか。パソコンを起動し、早速アドレスを入力してみた。
『当サイトは諸般の事情により閉鎖いたします』
閉鎖。俺はこのサイトを見て、ルミの何を知りたかったのだろうか。ルミの日常?ルミの思考?ルミの心?…違う。ルミの俺への思いだ。あいつが俺のことをどう思っていたのかを知りたかったんだ。もう居ない、聞くことが出来ないからこそ知りたくなったんだ。ルミは何故俺に何も言わなかったのだろう。言うに足りない存在だったのか?

ン?リンク切れしていないのがある。[ Texts ]戸惑いならがもクリックしてみた。コンテンツ内もリンク切ればかりだった、2つの項目を除いては。ヒトの思考への旅立ちは奇妙な期待感と不安感が入り交じる。ましてや知人の思考を探るというのは、勇気がいるものなんだな。色んな思いを抱えつつ、1つ目をクリックしてみた。

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創作部屋〜Promise〜2003.6.25

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