雨粒がまばらに地面へ落ち、熱を帯びたアスファルトから 独特の匂いが漂う。 その匂いが消えるくらい雨の量が増し、 足元はすっかり冷えてしまった。 どのくらい立ち続け、 待つ続けたのかわからない。 わかっているのは待たされたこと、靴が、 足が濡れたこと。 あなたが 来なかった こと。
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