あなたのいない朝

肌寒い朝
目覚めと共に
あなたはいないと思い知らされる

物音ひとつしない部屋
背筋を伸ばし カーテンを開け
朝の光を招き入れる

自然と目線は椅子に向く
座る主が居ない
位置が変わることのない椅子

一人分のコーヒーをドリップ
トースターに入れる食パンは一枚
片目の目玉焼き

大して見もしないのに
テレビの電源をオン

物足りない空間
私の香水だけが漂う部屋

「行ってきます」も
「行ってらっしゃい」もない玄関
そして扉を閉じ 鍵を掛ける

あなたのいない朝を
こうして繰り返している

〜あなたのいない朝〜2005.11.01

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