肩に一粒の雨を感じました。 たった一粒の重みで、初めて自分が 当て所なく歩いていたことに気が付きました。 意識がどこにあったのか、 思考がどこにあったのかわかりません。 ただ “歩いていた” ことだけがわかります。 たった一粒の雨が 立ち止まりなさいと、 周りを見なさいと教えてくれました。 一粒の雨が教えてくれました。
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